研究概要 |
粉体気体系は,線形応答理論を越えた局所非平衡系の統計力学を推進する典型的な理想系として理論的発展が大きく期待されている.また,微小重力環境下における粉体気体系の研究は,月面や微惑星上における粉体の輸送や制御の技術確立につながる工学的にも重要な研究課題である.振動することにより生じる流動化やパターン形成など粉体の特性を利用した新産業の創成など,次世代の宇宙産業にも大きな貢献が期待されている.本研究では,粉体気体系の非平衡定常状態の巨視的物理量を記述する新しい振動応答理論を基礎に微小重力環境をも視野に入れた統計則の探求により,理論と分子動力学シミュレーションの双方から,振動応答や輸送現象に関する新しい基礎的方法論を開発(確立)し,それを拡張(発展)させた.
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