研究概要 |
Superalgebraに付随する可解模型に関連する以下のような研究を行った.Uq(s1(21)()に付随するBaxter Q演算子とそれらの間の函数関係式およびT一演算子(転送行列)に対するWronskian型の公式を構成した.我々の定式化は,演算子が作用する空間に依存しないため,格子模型と共形場理論の両方に適用可能である.Wronskian型の公式のUq(g1(M-N)^)の場合への非自明な拡張を行い,T-systemのWronskian型の解を求めた.これはq一(super)指標の一種であると考えられる.またBaxter Q演算子が2^{N+M}種類存在しうることを初めて提案した.ここで開発した技術を用いて,素粒子物理学におけるAdS/CFT対応に関連して考案された可解模型に対するT-systemとQ-systemの解を与えた.g1(MN)の指標に作用する「co-derivative」と呼ばれる「微分」を用いて,2^{N+M}種類のBaxter Q演算子の全く新しい構成法を提案した.これによって従来のBethe仮説法を用いずに,Bethe方程式を導出することに成功した.またソリトン理論におけるバックルンド変換とBaxter Q演算子の関係を演算子のレベルで明らかにした.
|