研究課題/領域番号 |
19740334
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地球宇宙化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西澤 学 東工大, 理工学研究科, 研究員 (60447539)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,540千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 240千円)
2008年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 太古代 / 窒素循環 / 窒素同位体 / 化学種 |
研究概要 |
本課題の目的は地球初期試料に含まれる極微量の有機窒素と無機窒素の同位体比を決定し、従来未知とされた原始海洋窒素循環を復元することにある。窒素はアミノ酸や核酸の主要構成元素であり、原始海洋窒素循環の復元は生命の起源と初期進化を解明する上で最も重要な研究課題のひとつである。太古代の有機物の窒素含有量は低いため、従来法では同位体測定が困難であった。そこで平成19年度は、極微量の有機窒素と無機窒素の同位体分析法の開発を目的とした。まず有機窒素を極低プランク量で窒素分子に変換するための高真空燃焼ラインを設計・製作した。そのため多数の真空部品の真空特性の検討を行い、特殊部品の図面作成を含めて最適な部品を入手した。こうした部品を使用して高真空ラインを自作した。一方で、分析に要する窒素量そのものを低減するため、高感度質量分析計に直結する窒素導入ラインの改造(短縮化)を行った。その結果、改造前に比べて約半分の量の0.2ナノモルの窒素を従来と同程度の誤差(SE:0.2パーミル)で測定することに成功した。この微量化により太古代の流体包有物に含まれる窒素の同位体比がより高精度で測定できると期待される。なお、サブナノモル量の窒素の高精度同位体分析を実現している研究機関は世界でも数箇所だけである。この改造ラインを用いて、太古代や顕生代の岩石試料の窒素同位体分析を試験的に行った。最後に、太古代のさまざまな種類の堆積岩の記載を行い、分析に適した試料の選別を行った。今回選別した試料の分析を次年度以降に行うことで、原始海洋窒素循環の鉛直構造が復元できると期待される。
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