研究課題/領域番号 |
19750059
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
長谷川 拓也 名大, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50377800)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,130千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 330千円)
2008年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | メタロミクス / 同位体比計測 / 微量金属元素 / 産地同定 / 高精度分析 / ICP-MS / 多元素同時分析 / 同位体科学 |
研究概要 |
本研究は、(1)同位体比計測による生体同位体科学の構築、(2)同位体比の高精度分析による微量元素の生物学的循環過程の検索という2つの目的を掲げている。そこで、本年度はこの研究の根幹をなす同位体比計測の高確度・高精度化についての検討をおこない、その技術を応用して植物の産地同定を試みた。 例えば、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)でSrの同位体比計測をする場合、試料中に混在するRbによる同重体干渉が問題となる。そこで、試料の前処理法として、イミノ二酢酸を官能基に持つChelex100樹脂本研究室で開発されたミニカラムに詰めて用い、目的元素と妨害元素を化学分離することとした。さまざまなパラメータを最適化した結果、同位体比の計測精度は測定値のRSD 0.1%以下が実現できた。これは、本研究で用いたシングルコレクター型ICP-MSのパフォーマンスとしては十分な結果である。また確度に関しても、同位体比計測には優れた装置である表面電離型質量分析装置(TIMS)とクロスチェックをした結果、良好であることがわかった。 このように、高確度・高精度な同位体比計測法が確立できたので、その技術を用いて、ホウレンソウ中Fe, Cu, Srの多元素同時同位体比計測による産地同定を試みた。過去にSrの同位体比を用いた産地同定法は存在したが、シングルコレクター型ICP-MSによるSr同位体比のみの計測では産地同定が難しかった京都・愛知・栃木などの日本国内での近隣の産地に関してもSrの他にFeやCuという複数の同位体比計測を用いることによって、産地同定をすることに成功した。
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