研究概要 |
本研究では,CdTe半導体の結晶表面制御技術と電極形成技術の研究開発を行った.従来,Inがショットキー電極として用いられてきたが,Alがショットキー電極として用いて素子を作製した.その結果,241Amからの放射線計測において,半値幅が1.5keV程度と高分解能素子の作製に成功し,Inと同等以上の特性が得られることを示した.また,Heプラズマによる表面処理及び硫黄処理を行うことにより,ポラリゼーション現象が大きく改善され,従来3時間程度の連続計測しか行えなかったものが,20時間の連続計測が可能になることを示した.また,Alを電極として用いることにより,In電極の時には難しかった電極分割が可能となり,素子のピクセル化が容易になることを明らかにした.さらに,Tiもショットキー電極として有効であることを示した.本研究で得られたこれらの表面処理及び電極作製技術の成果は,CdTe放射線検出素子の作製プロセスにおいて,基盤的な技術になるものと考えている.
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