研究概要 |
第一原理計算による格子不安定性解析を,平成19年度はX族元素(Ni,Pd,Pt)ならびにXI族元素(Cu,Ag,Au),平成20年度はIV族(Ti,Zr,Hf),VI族(Cr,Mo,W)について行い,[001]方向短軸引張・圧縮,静水圧引張・圧縮など様々な変形モードにおける不安定ひずみを算出した.これまで解析した元素を含めて,格子不安定となるひずみにおける臨界応力σ_<33>を,無負荷平衡状態での弾性係数C_<33>で無次元化して整理すると,臨界ひずみε_<33>に対してσ_<33>/C_<33>が一直線上に分布することが分かった.この直線の傾きは[001]単軸引張では0.379,単軸圧縮では0.637であった.静水圧引張解析の場合,同じように格子不安定となるときの平均応力σmを引張前の体積弾性率B_0で無次元化すると,体積ひずみε_vに対してσm/B_0が直線となり,その傾きは0.389であった.この直線関係の物理的意味はまだ定かではないが,合金強度評価のめやすとなる可能性がある.
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