研究概要 |
気体分子の平均自由行程が系の代表長に対して無視できない微小な系では,気体内の温度場によって定常な流れが誘起される.本研究では,微細な孔径を持つ多孔質内に誘起されるこの種の流れを利用した気体の輸送・圧縮装置(ポンプ)の性能を検証した.より具体的には,多数の正方配列円柱群により構成されるポンプ内の気体の振る舞いを,分子気体力学に基づいて構築した拡散モデルにより調べた.その結果,例えば両端で1.5倍の温度比を持つ円柱群を100個連結した場合,隣接する円柱の中心間距離に基づくクヌッセン数が6のときポンプが約50倍の圧力差を維持できることが分かった.
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