研究概要 |
充電部に接触した際,体内に流れる電流(接触電流)がどのような経路を辿るのかについて,人体数値モデルを用いた数値解析を行い,モデル内の電流密度分布を詳細に検討した。数値解析手法には従来から用いているSPFD法の一部を改良してコード化し,その妥当性の検証を確認している。数値解析の結果,体内の電流は電流経路を最短に通過するように流れ,かつ導電率の大きい組織を通ることが分かった。各組織における電流密度・電界の最大値や平均値を算出した結果,電流経路ではない脳においてそれらは非常に小さく,電流経路上にある心臓においては0.5mA(60Hz)の接触電流に対して電界の平均値が65~85mV/mであった。また,電流経路が手足間や両手間では,接触電流の33~40%が心臓を通過することが分かった。
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