| 研究概要 |
港湾・海岸構造物,家屋などの構造物へ海氷が高速で衝突する現象に関する要素実験として,中規模程度の自由落下による杭構造物への人工海氷の衝突実験を様々な条件で実施した.その結果,衝突力は氷温の低下にともなって直線的に増加し,本実験の範囲の運動エネルギの変化よりもその依存性が大きかったほか,一軸圧縮強度の氷温依存性よりも大きいこと,氷が構造物に衝突して脆性破壊を生じ,その破壊氷片が自由に運動・飛散する場合(特に構造物規模に比べ氷塊の規模が大きい場合)には,衝突力や力積は小さくなり,運動エネルギ-があるレベルに達すると一定値になる事,など様々な特性が明らかとなった.また,海氷以外の漂流物も考慮し,同じ条件で木材等の他材料の衝突実験も実施した結果,脆性破壊を生じない材料の場合,衝突力(支点反力)は海氷と比べて,およそ1オーダー大きくなることが分かった.さらに,DEMを適用した海氷の衝突破壊に関する数値シミュレーション手法を開発し,氷塊衝突力を推定するための実用的な支援ツールを獲得した.
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