研究概要 |
中低層建物の実振動挙動を解明するために, 本研究では弾性範囲内の振動に対象を絞り, 中小地震の記録と常時微動記録の収集・データベース化を行った。また, 対象建物の一つであるPCaPC 造7階建て建物の各階にセンサーを配置した高密度観測を行い, 桁行方向と張間方向で振動モード形状に明確な差異があること, 建物へ入力する波動成分の違いがロッキング動に大きな影響を及ぼしていることを示し, これらを考慮した振動解析モデルを構築し, 構造設計図書から作成した一般的な振動解析モデルと比較し, 各要因の影響度合いを示した。 高密度で得られる記録は, 従来の紙ベースでの分析では現象を十分に把握できないため, 建物の立体振動挙動をアニメーションで把握可能な振動分析ツールを作成した。
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