研究概要 |
多数の一方向に伸びた孔をもつロータス金属は,今後輸送機などの軽量材料として使用することが期待されている。本研究では,Al-Si, Al-Cu, Al-Si-Mg等のアルミニウム合金を用いて一方向凝固によりロータス金属を作製し,凝固組織と気孔形状の関係を調べた結果,気孔はデンドライト枝間の共晶相に生成し,気孔の形状や寸法が周囲のデンドライトの形状やデンドライト間隔と一致することを明らかにした。また,マグネシウムを水素雰囲気中で一つの側面の上部と底部に銅冷却盤を取り付けた鋳型に鋳込み,二方向からの冷却により凝固させ,ロータス型ポーラスマグネシウムを作製した。凝固方向に平行な断面には,それぞれの冷却面から垂直に伸びた気孔が途中で合流し,最終凝固部へ成長しているのが観察された。本研究では,気孔成長方向の実験値と有限差分法による二次元伝熱凝固解析で得られた温度分布との比較により,気孔は固液界面にほぼ垂直に,温度勾配にほぼ平行に成長することを明らかにした。また,固液界面同士の衝突部で観察される,気孔成長の停止,二つの界面から成長してきた気孔同士の合体,湾曲した成長,粗大気孔生成のメカニズムを明らかにした。
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