研究課題
若手研究(B)
本研究の目的は、大型動物からの被食環境下での植物種間の正と負の相互作用を明らかにすることである。そのために、刺毛をもつ防御植物(イラクサ)と防御形質をもたない植物(イヌタデ)との相互作用を解析した。2年間で以下の結果を得られた。(1) 競争効果と保護効果の分離評価奈良公園内で防御植物(イラクサ)の存在有無および被食防護柵の設置有無の処理を組み合わせた処理区による野外実験を行った。結果、柵内ではイラクサの競争効果が強く検出され、柵外では競争効果と保護効果は相殺していた(投稿中)。(2) 保護効果の空間的・時間的スケールの評価イラクサとイヌタデの個体間距離を考慮した統計モデルで解析した結果、競争と保護の効果それぞれの効果が働く時期や空間スケールが異なることが分かった。さらに空間分布解析により、イヌタデは、イラクサの近接で生き残る傾向が統計的に検出された(投稿中)。(3) 植物間相互作用の進化的変化調査地に生育するイヌタデは長い被食環境に適応進化(矮小化)していることがわかった。そのため、矮小型イヌタデは、イラクサから保護効果より競争効果をより強く受けると予測した。被食環境に適応していない標準型イヌタデと矮小型イヌタデを、奈良公園のイラクサの下と外に移植した実験を行った。結果、保護効果は標準型イヌタデに対してのみ働いた。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)
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(投稿中)