研究概要 |
スズメガの飛行制御の神経機構を明らかにするために,自由飛行における飛翔筋活動の遠隔計測と,光学的手法による精密な運動計測を組み合わせた実験系を構築し,飛翔筋活動による羽ばたき制御のしくみを解析した.その結果,3ミリ秒程度のわずかな筋の活動タイミング調節により,羽ばたき振幅や羽ばたき面を制御していることが明らかになった.このような制御の神経メカニズムを明らかにするために,さらに神経生理学的・神経解剖学的な手法により,中枢からの指令情報と,末梢の機械感覚情報の羽ばたき制御に対する役割を解析した.機械感覚器の求心性経路は,胸部神経節,および食道下神経節に渡って広がっており,羽ばたき運動のほかに頭部の運動にも関与することが示唆された.
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