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ミニ蛋白質に共通するフォールディング機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19770126
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 生物物理学
研究機関東京大学

研究代表者

寺田 透  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特任准教授 (40359641)

研究期間 (年度) 2007 – 2008
研究課題ステータス 完了 (2008年度)
配分額 *注記
1,850千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 150千円)
2008年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードフォールディング / 分子動力学 / ミニ蛋白質 / マルチカノニカル / Trp-cage / chignolin / generalized Born
研究概要

本年度は、20残基のミニ蛋白質Trp-cage(配列はNLYIQWLKDGGPSSGRPPPS)を研究対象として選定した。この蛋白質は水溶液中でTrp6を囲むかご状の構造をとる。4残基異なる変異体TC3b(配列はNLFIEWLKNGGPSSGAPPPS)はこのかご状の構造をとる確率が低くなることが知られている。そこで、マルチカノニカル分子動力学シミュレーションを用いて野生型、変異体について自由エネルギー地形を計算し、立体構造形成能を比較した。この結果、天然構造からのCα原子のRMSDが2A以下となるポピュレーションは、野生型で56.9%であるのに対し、この変異体では12.1%と大きく減少していることが明らかとなった。この結果は、実験結果とよく一致しており、本研究で使用したシミュレーション手法が十分な信頼性を持っていることを示している。野生型とTC3bでは4つの残基が異なっていることから、どの残基が立体構造形成に重要な役割を果たしているかを明らかにするために、野生型にTC3bの残基を導入した変異体について、同様にシミュレーションを行った。現在までにTrp-cageのArg16をAlaに置換したR16A変異体について計算を終了した。この残基は野生型の天然構造においてAsp9と塩橋を形成していることから、TC3bの立体構造形成能が低い原因はこの塩橋が形成されないためとされてきた。しかし、野生型の天然構造からのCα RMSDが2A以下のポピュレーションは45.5%と、野生型に匹敵するレベルであった。従って、この塩橋の形成は、立体構造形成に必須ではないといえる。今後は他の残基についても同様に立体構造形成能への影響を精査し、立体構造形成における各残基の役割を明らかにしていく予定である。

報告書

(2件)
  • 2008 実績報告書
  • 2007 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A comparison of generalized Born methods in folding simulations2008

    • 著者名/発表者名
      寺田透
    • 雑誌名

      Chemical Physics Letters 460

      ページ: 295-299

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Understanding the roles of amino acid residues in tertiary structure formation of chignolin by using molecular dynamics simulation2008

    • 著者名/発表者名
      寺田透
    • 雑誌名

      Proteins : Structure, Function, and Bioinformatics 73

      ページ: 621-631

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] フォールディングシミュレーションにおけるgeneralized Bornモデルの比較2007

    • 著者名/発表者名
      寺田 透
    • 学会等名
      日本生物物理学会第45回年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-22
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

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公開日: 2007-04-01   更新日: 2016-04-21  

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