研究課題
若手研究(B)
視物質ロドプシンは網膜視細胞に存在する光受容膜蛋白質である。無脊椎動物のロドプシンは、脊椎動物のロドプシンとは対照的に光活性型アシッドメタ中間体が安定であり、また、生体内に普遍的に存在するGq型G蛋白質と共役するという特徴をもつ。研究代表者らはスルメイカのロドプシンについてX線結晶構造解析を行い、2007年度までに基底状態の立体構造を2.5Å分解能で決定し、無脊椎動物型ロドプシンの機能を裏付ける以下のような特徴的な構造を解明した。1)GPCRの膜貫通領域はほぼ保存されている、2)細胞質側のG蛋白質共役部位が堅いドメイン構造である、3)9個の水分子クラスタが活性部位とG蛋白質共役部位を結ぶ水素結合網を形成し、細胞内シグナル伝達に寄与している、4)発色団レチナールのプロトン化シッフ塩基とその対イオンGlu180は5Å離れている、5)GPCRの生理的な二量体がへリックス4と5を接合面として会合している、6)細胞外側領域どうしの塩橋による相互作用が無脊椎動物の目が偏光を検出するのに寄与している。2008年度は光反応初期中間体であるバソロドプシンの結晶構造解析を目指し、イカロドプシン結晶中でバソ反応中間体を捕捉する条件検討を行った。すなわち、液体窒素温度に冷却した結晶に対し、青色光照射によりバソ反応中間体(全トランス型)と、橙色光照射によりロドプシン(11-cis 型)とイソロドプシン(9-cis型)の混合状態とを可逆的に生成することを見出した。バソ中間体の生成率が高めた結晶を用いて回折データセットを収集し、構造解析に着手した。
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