研究課題
若手研究(B)
我々は、上皮細胞間接着構造の形成機構解析および機能解析を目的とし、主に3つの課題について研究を行なった。1.上皮細胞間接着装置の裏打ちに局在するMUPP1とその近縁分子Patjの生化学的および細胞生物学的機能解析を行なった。両者の間には様々な生化学的性質上の相同性が認められたが、驚くべきことに細胞内での機能は全く異なり、Patjのみが有為に細胞間接着構造並びに細胞極性の形成維持に関与していることが明らかになった。2.細胞間接着装置の裏打ちに局在する新たな分子IQGAP3を同定した。この分子は増殖を行なっている細胞にのみ発現が認められ、またその発現は細胞の増殖に必要不可欠であることが明らかになった。またIQGAP3は癌遺伝子産物のRasと結合してその活性を制御することでその機能を発揮していることを見い出した。3. GFP融合cDNA発現ライブラリーを用いた局在スクリーニングにより、ARHGAP12とSPAL3という低分子量GTP結合蛋白質制御因子が新たな接着構造の構成分子として同定された。これらの研究成果により、細胞間接着構造の形成機構およびその新たな機能についての我々の理解は飛躍的に深まった。
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http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/publications/tsukita2008-1/