研究課題
若手研究(B)
日本に広く分布する「黒ぼく土」とよばれる火山灰起源の土壌は、世界に分布する土壌の中でも有機物集積能が突出して高く、その効率的な炭素隔離機能は注目に値する。本研究では、土壌有機物と黒ぼく土における有機物蓄積に深く関与すると考えられるアルミニウム、および一般に土壌中有機物の蓄積に関与している鉄の有機物複合体中における化学形態およびアルミニウム・鉄と結合した有機物の安定性を、X線吸収スペクトル、核磁気共鳴、加熱ガス発生質量分析により比較した。鉄は、有機物との錯形成反応よりも鉱物相の生成が優先されるのに対し、アルミニウムは錯形成反応が優先することが示された。アルミニウムが土壌有機物との強い錯形成能を持つために、黒ぼく土では効率的に有機物が集積されると考えられた。
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日本土壌肥料学雑誌 79
ページ: 229-237