研究概要 |
沿岸域利用は多様化が進んでいる。とくに1990年代以降,大手資本による魚類養殖への参入が相次いでいる。資本参入は,漁協・地域への経済的効果をもたらす一方で,既存漁業との漁場利用競合を引き起こす可能性が高い。漁協経営や地域経済の改善が優先され,一部漁業者にとっては重要な生業の場である漁場を失わざるを得ないケースが散見される。また,漁業権行使の対価として支払う漁業権行使料の金額設定の根拠,行使料の対価としての漁協の役割などが課題になっており,漁場管理に果たす漁協の役割・機能の再検討が必要であることが明らかとなった。
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