研究概要 |
非イオン系界面活性剤アルキルフェノールポリエトキシレート(APEO)は,微生物により分解されると外因性内分泌かく乱作用を有するアルキルフェノール(AP)類が生成される.本研究では,APEOの生分解機構を解明するため,APEOの一種であるオクチルフェノールポリエトキシレート(OPEO)分解菌Pseudomonas putida S-5のOPEO分解遺伝子をトランスポゾン(Tn)タギング法で単離し,DNA配列解析を行った.P.putida S-5から作成したTn挿入変異株(約11,000株)の中から,OPEO分解遺伝子破壊株17株を選択した.それらの17遺伝子のDNA配列を決定して相同性検索を行いそれらがアシルCoAシンテターゼ,シャペロンタンパク質,NADHキノン酸化還元酵素等と相同性を示すことを見出した.また,炭素源にOPEOまたはグルコースを用いて培養したP.putida S-5における,9遺伝子の発現をRT-PCRにより解析した.その結果,T424遺伝子のみがOPEOの場合のみ発現され,残り8つはOPEOとグルコースの場合ともに発現された.
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