研究課題
若手研究(B)
冠動脈バイパスグラフト血管として多用されている内胸動脈において、塩酸パパベリンの最小有効濃度(30μM)を明らかにするとともに、この最小有効濃度の塩酸パパベリンが、血管れん縮誘因物質の一つであるセロトニン(5-HT)、ADP、アンギオテンシンII(AngII)およびノルアドレナリン(NA)の血管収縮作用を有意に減弱させることを薬理学的に確認した。また、冠動脈バイパスグラフト血管として現在用いられている内胸動脈および大伏在静脈において、5-HT受容体(5-HT2Aおよび5-HT1B受容体)拮抗薬の併用が5-HTの血管収縮反応をほぼ完全に抑制したことから、血管れん縮防止薬として、両受容体拮抗薬の併用が有効であることを示唆した。冠動脈バイパス術中の血管れん縮防止薬として、現在広く使用されている塩酸パパベリンが、血管機能を減弱させることが知られており、その使用の安全性が問題となりつつある中で、本研究結果より、その使用量の軽減を促せる薬理学的知見を得ることができた。さらに、塩酸パパベリン以外のれん縮防止薬として、5-HT2A および5-HT1B受容体拮抗薬の併用が、ヒト冠動脈バイパス血管の長期開存に繋がる有効な薬理学的ツールであることが示唆された。
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