研究課題
若手研究(B)
肥満によって脂肪組織ではマクロファージの浸潤が増加し、慢性的な軽度の炎症反応を引き起こす。これまでの我々の研究において、30週齢のユビキチンリガーゼCbl-b遺伝子欠損マウスの脂肪組織ではマクロファージの浸潤や活性化が認められ、インスリン抵抗性を引き起こすことを報告した。近年、マクロファージの活性化因子として脂肪酸が注目されている。そこで、本研究では、Cbl-bを介した、脂肪酸によるマクロファージ活性化機構について検討した。Cbl-b遺伝子欠損マウスに飽和脂肪酸を多く含む高脂肪食を負荷し、それによるサイトカインシグナル及びインスリン抵抗性への影響を検討した結果、Cbl-b遺伝子欠損マウスにおける脂肪組織では、野生型マウスに比べてマクロファージの浸潤が早期に見られ、サイトカイン発現上昇やアディポカイン発現異常がみられた。Cbl-b遺伝子欠損マウスの血中ではMCP-1の増大が認められ、それが脂肪組織へのマクロファージ浸潤増大を引き起こしたと考えられる。さらに、長期問の高脂肪食負荷はCbl-b遺伝子欠損マウスの脂肪組織及び骨格筋におけるAktのリン酸化の減弱及び脂肪肝を引き起こした。以上の知見より、Cbl-bが飽和脂肪酸によるマクロファージ活性化に関与し、インスリン抵抗性の発症機構に寄与することが示唆された。このように、Cbl-bは食事性肥満におけるインスリン抵抗性治療の重要な分子ターゲットになりうると考えられる。
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