• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

新しい細胞死形態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19790296
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 実験病理学
研究機関順天堂大学

研究代表者

中島 章人  順天堂大, 医学部, 助教 (30439294)

研究期間 (年度) 2007 – 2008
研究課題ステータス 完了 (2008年度)
配分額 *注記
2,760千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 360千円)
2008年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード細胞死 / カスパーゼ / TNF α / Fas / ミトコンドリア / 自己免疫疾患
研究概要

1細胞死の研究はこれまでにがんや自己免疫疾患の解明に大きく貢献しており、近年はアポトーシスが誘導される分子メカニズムのみならず、細胞が死んだ後に死細胞はどのように処理されるかということも注目されている。もし死んだ細胞が適切に処理されなければそれが何らかの原因となって慢性炎症や自己免疫疾患が誘導される可能性が考えられるからである。この研究課題では炎症性サイトカインであるTNFαやFasにより急速にカスパーゼが活性化した細胞において、ミトコンドリアが細胞外に積極的に排出されるという新しい現象について解析してきた。これは従来から知られているアポトーシスやネクローシスとは異なった形態変化の解析であり、新しく斬新な試みである。
まずin vitroの系で細胞死を誘導し、その形態について電子顕微鏡を用いて詳細に検討した。抗アポトーシスタンパクであるc-FLIPをノックアウトした細胞ではTNFαやFasにより急速にカスパーゼが活性化し死に至るが、細胞死の形態はすべて同じではなくアポトーシス、ネクローシスとともに細胞内に大量の空胞を伴い分断化されたミトコンドリアを積極的に排出している細胞群を認めた。ミトコンドリアは細胞死の過程で分断化されていくことが知られているが、分断化されたあとはほかのオルガネラや細胞質と同じように細胞膜に包まれて貪食されると考えられてきた。
しかし今回の実験結果から、かなり多くの細胞でミトコンドリアはいわばnakedの状態で細胞外に放出されていることが分かった。同様の現象はマウスに抗Fas抗体を投与して劇症肝炎を誘導したときの肝細胞でも観察され、in vitroだけではなくin vivoでも確かめられた。ミトコンドリアタンパクを抗原とする自己免疫疾患として原発性胆汁性肝硬変が知られており、放出されたミトコンドリアが何らかの形で抗原になりうれば新たな細胞死のメカニズムとともに自己免疫疾患との関わりを知ることが出来ると考えている。

報告書

(1件)
  • 2007 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Downregulation of c-FLIP promotes caspase-dependent reactive oxygen species accumulation resulting in apotosis and necrosis in tumor cells2008

    • 著者名/発表者名
      Akihito, Nakaiima・Yuko, Kojima・Masafumi, Nakayama・Hideo, Yagita・Ko, Okumura・Hiroyasu, Nakano
    • 雑誌名

      Oncogene 27

      ページ: 76-84

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 細胞死誘導時におけるミトコンドリアの排出機構2007

    • 著者名/発表者名
      中島 章人
    • 学会等名
      平成19年度生理学研究所研究会
    • 発表場所
      岡崎市
    • 年月日
      2007-08-15
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] 細胞死誘導時におけるミトコンドリアの排出機構2007

    • 著者名/発表者名
      中島 章人
    • 学会等名
      第37回日本免疫学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] 細胞死誘導時におけるミトコンドリアの排出機構2007

    • 著者名/発表者名
      中島 章人
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会
    • 発表場所
      横浜
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] 細胞死誘導時におけるミトコンドリアの排出機構2007

    • 著者名/発表者名
      中島 章人
    • 学会等名
      Cold Spring Harbor, New York
    • 発表場所
      ニューヨーク
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

URL: 

公開日: 2007-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi