研究課題/領域番号 |
19790323
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
酒井 幸平 山口大, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70444718)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,550千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 450千円)
2008年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | Chlamydophilla pneumoniae / Macrophage / NO / IL-6 / ARE / HuR |
研究概要 |
Chlamydophilla pneumoniaeが動脈硬化果のマクロファージ内で検出されることから、C.Pneumoniaeによるマクロファージの炎症反応の制御機構を検討した。まずNitric Oxide(NO)の産生を検討したところ、C.pneumoniae感染したマクロファージ細胞株Raw264.7細胞は非感染細胞と比べlipoporysaccharide(LPS)とInterferon(INF)-yに応答したNO産生能が有意に低下していた。inducible NO synthase(iNOS)はタクパク質とmRNAがともに低下しており、mRNAレベルでの障害が考えられた。炎症性サイトカインであるInterluekin(IL)-6もiNOSと同様にタンパクとmRNAが低下していたが、Suppressor of cytokine signaling(SOCS)-1の誘導はmRNAレベルで有意な差は見られなかった。次にLPS・IFNyにより作用する代表的な転写因子であるNF-kBとSTAT-1の活性化を検討したが感染細胞で有意な低下は見られなかった。そこでmRNAの安定性を検討したところ、iNOS・IL-6・Class II transactivator(CIITA)は安定性が感染により有意に低下しており、それに対してβ-actinとSOCS-1では有意差が見られなかったるiNOS。IL-6・CIITAのmRNAは3'末端にAU-richelementをもち、ここにHuman antigen R (HuR)が結合することで安定化することからHuRの量を検討した。その結果C.pneumoniaeにより蛋白レベルでHuRが低下することがわかった。このHuRタンパク量の低下はProteasome inhibitorであるEpoxomycin投与によっても回復せず、宿主のproteasomeに依存しないものと考えられる。AREは炎症性サイトカインやサイクリン遺伝子に存在し、炎症・腫瘍にAREを介してHuRが関与していると考えられる。実際に多くの腫瘍でHuRの恒常的な活性化が確認されている。よってC.pneumoniaeのHuRに対する制御機構を解明することで、新規の抗炎剤や抗腫瘍薬の開発につながりうる。
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