研究課題
若手研究(B)
【目的】TNF受容体型分子であるGITR(glucocoricoid-induced TNF receptor)はCD25陽性制御性T細胞(Treg細胞)機能に関与し、自己免疫疾患発症や腫瘍免疫に重要な役割を果たす分子として注目されている。一方、同様のTNF型受容体分子であるOX40からのT細胞補助シグナルはCD4陽性T細胞の機能と生存を増強することにより、T細胞免疫記憶を増強し、一方で自己免疫・アレルギーなどの炎症反応遷延化に関与する。GITRとOX40およびそのリガンド同士はともにゲノム上で数kb内に隣接しており、遺伝子構造上およびタンパク構造上からリガンド、受容体ともに同一の分子から進化的に派生したと考えられる。従って、GITRとOX40は上記のように異なる機能が指摘される一方で、類似の機能を有することも知られており、互いに機能的相補性を有する可能性が想定される。すなわち、同一の分子から派生・進化したと考えられる両分子は一見反対の機能を有する。そこで本研究では、両者の遺伝子欠損マウス、およびGITR(L)、 OX40(L)に対する単クロン抗体を用いて、Treg細胞増殖・機能におけるGITRとOX40の役割を解析する。【結果】GITR欠損マウス脾臓細胞から精製したTreg細胞をOX40L欠損マウス、 OX40L-Tgマウス、野生型マウスからそれぞれ調製した抗原提示細胞存在下にCD3刺激を加えて、in vitroでの増殖反応と抗原刺激後のTreg細胞機能を測定した。OX40シグナルはTreg細胞増殖と機能に促進に働くことを明らかにした。また、GITRとOX40シグナルの機能的関連性についても明らかにした。
すべて 2007
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