摂食障害における食欲調節ペプチドの一塩基多型と病態、治療、予後に関する研究

• 研究課題/領域番号: 19790458
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 内科学一般(含心身医学)
• 研究機関: 鹿児島大学
• 研究代表者: 安原 大輔 鹿児島大, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (70433084)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2009
• 研究課題ステータス: 完了 (2009年度)
• 配分額: 3,700千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 600千円); 2009年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円); 2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円); 2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
• キーワード: 摂食障害 / 食欲調節ペプチド / 一塩基多型

研究概要

本研究の目的は、摂食障害の発症や病態形成への関与が数多く報告されている食欲調節物質、特に、食欲促進系・抑制系に属する新規の食欲調節ペプチド(in vitroで食欲調節ペプチドや受容体の機能異常が確認されているもの)のSNPに注目し、病態、治療反応性、予後などとの関連を検討することである。
平成20年度は、鹿児島大学病院心身医療科および関連医療機関(心療内科)にて入院治療を受けている摂食障害患者および一般公募により無作為に選ばれた健常者を対象として、面接調査(年齢、BMI、体脂肪量、病型、発症年齢、罹病期間など)、心理学的検査(EDI、BITE、YG、SDSなどの摂食行動や精神状態を評価するための検査)、摂食状況(痩せ願望、過食、排出行動に関しての調査)、生活歴などの調査を施行した。平成20年度における症例数は健常群21例、患者群17例であり、遺伝子解析を進めていくためには今後更に症例数を増やしていく必要性がある。遺伝子解析のための検体収集と並行して、本研究を効率的に進めるためにも、平成20年度は、まず新たな候補となる食欲調節物質の摂食障害における代謝研究を行いその成果を論文発表した。その結果、グレリンファミリーのひとつである血清オベスタチン濃度が急性期の神経性食欲不振症患者において上昇していることを見出した。オベスタチンの生理活性、特に摂食障害の病態における役割の解明に関して今後更なる究明が必要であると思われ、現在臨床経過における同peptideの動態研究を展開している。次年度以降は、これらの食欲調節に関る候補物質を中心に遣伝子解析を進めていく予定である。

研究成果

• [雑誌論文] Treatment-resistance in anorexia nervosa (2009)
  • 著者名/発表者名: Yasuhara D, Harada T, Nakahara T, Uehara M, Koyama K, Asakawa A, and Inui A.
  • 雑誌名: Japanese Journal of Psychosomatic Medicine 49(1) ページ: 19-29
• [雑誌論文] Obestatin, acyl ghrelin, and des-acyl ghrelin responses to an oral glucose tolerance test in the restricting type of anorexia nervosa (2008)
  • 著者名/発表者名: Harada T, Nakahara T, Yasuhara D, Kojima S, Sagiyama KI, Amitani H, Laviano A, Naruo T, and Inui A.
  • 雑誌名: Biological Psychiatry 63(2) ページ: 245-247
  • 査読あり
• [雑誌論文] Plasma obestatin concentrations are negatively correlated with body mass index, insulin resistance index, and plasma leptin concentrations in obesity and anorexia nervosa (2008)
  • 著者名/発表者名: Nakahara T, Harada T, Yasuhara D, Shimada N, Amitani H, Sakoguchi T, Kamiji MM, Asakawa A, and lnui A.
  • 雑誌名: Biological Psychiatry 64(3) ページ: 252-255
  • 査読あり
• [雑誌論文] Pathogenesis and treatment of eating disorders associated with type 1 diabetes mellitus. (2007)
  • 著者名/発表者名: Yasuhara D and Inui A.
  • 雑誌名: Nature Clinical Practice Endocrinology & Metabolism 3(9) ページ: 612-613
  • 査読あり
• [雑誌論文] High mobility group box 1 and refeeding-resistance in anorexia nervosa. (2007)
  • 著者名/発表者名: Yasuhara D, Hashiguchi T, Kawahara K, Nakahara T, Harada T, Taguchi H, Yamada S, Maruyama I, and Inui A.
  • 雑誌名: Molecular Psychiatry 12(11) ページ: 976-977
  • 査読あり
• [雑誌論文] Olanzapin-induced hyperglycemia in anorexia nervosa. (2007)
  • 著者名/発表者名: Yasuhara D, Nakahara T, Harada T, and Inui A.
  • 雑誌名: American Journal of Psychitry 164(3) ページ: 528-529
  • 査読あり
• [学会発表] シンポジウム「摂障害研究の最前線」神機性食欲不振症における治療抵抗性 (2008)
  • 著者名/発表者名: 安原大輔
  • 学会等名: 第49回日本心身医学会総会
  • 発表場所: 北海道(札幌)
• [図書] A New Carbohydrate Marker of Eating Behaviors in Eating Disorders. (Ed.) Rubin JS. (2007)
  • 著者名/発表者名: Yasuhara D, Naruo T and Inui A.
  • 出版者: NOVA Science Publisher (NY)