研究概要 |
心臓超音波検査を予定された成人洞調律1,102人の対象患者の経過を追い、虚血性心疾患、心不全、脳梗塞、心血管死を含めた心血管系イベント発症の有無を前向きに調査した。対象患者1,102例(平均年齢61±15歳、男性50%)のうち、平均観察期間19±14ヶ月で40例(4%)に心血管イベントが発症した。多変量Cox比例ハザード解析で、高齢、糖尿病、慢性腎臓病、左室収縮性の低下に加え、左房サイズの拡大は心血管イベントの独立した危険因子であった(ハザード比=1.4、95%CI=1.1-1.7、P=0.001)。日本人患者において従来の動脈硬化の危険因子に加え、左房サイズの拡大は心血管イベントの独立した危険因子として予後予測に有用な指標であると考えられる。
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