研究課題/領域番号 |
19790645
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
芦 秀麗 名大, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50437000)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
3,750千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 450千円)
2008年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2007年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | DHCR24 / 神経細胞 / caveolae / コレステロール / アポトーシス |
研究概要 |
我々はコルチゾル産生副腎腺腫において発現が増加する遺伝子をcDNA subtraction法で検索し、hDiminutoを同定した。腺腫ではアポトーシスが抑制されており、本遺伝子の高発現がアポトーシス抑制を介して腺腫の発症に関与することが示唆された。一方で、hDiminutoはコレステロール生合成系の酵素DHCR24であることが報告された。そこで我々は、DHCR24-KO MEFを用いて、DHCR24の抗アポトーシス作用の分子機序を検討した。KO MEFに過酸化水素を負荷すると、野生型に比し速やかにアポトーシスに陥った。この時ストレスキナーゼであるASK-1、p38MAPK、JNKの強い持続的な活性化が観察され、これがアポトーシスを誘導すると考えられた。細胞内活性酸素(ROS)動態を検討すると、KO MEFでは強いROS産生が観察された。DHCR24発現アデノウイルスを感染させると、過酸化水素負荷によるROS産生、ストレスキナーゼ活性化、アポトーシスが抑制された。また、DHCR24がERに局在することが明らかになった。一方、KO MEFにN型糖鎖付加阻害剤ツニカマイシンを負荷すると速やかにアポトーシスに陥った。これはBipの発現増加を伴ったERストレスに起因するアポトーシスだった。DHCR24発現アデノウイルスは、このERストレスによるアポトーシスも抑制した。DHCR24蛋白を合成・精製し、酵素反応速度論的解析を行ったところ、DHCR24は酵素的に過酸化水素を消去できることが明らかとなった。以上の結果から、DHCR24はERに局在するROS scavengerであり、ROSを消去することにより酸化ストレスやERストレスに起因するアポトーシスを抑制的に制御することが明らかになった。
|