研究課題
若手研究(B)
Bartter症候群(BS)、Gitelman症候群(GS)は常染色体劣性尿細管機能異常症で、低カリウム血症、代謝性アルカローシス、高レニン、高アルドステロン血症などを特徴とする。日本人におけるこれらの疾患を有する患者において、臨床的および遺伝学的検討はこれまで行われてこなかったが、私たちは今回の研究で、現在までに53例で遺伝子解析による確定診断を行ってきた。その結果、典型例ではそのほとんどで遺伝子変異を同定することができ、本疾患においては遺伝子診断率が高い疾患であることが分かった。また、解析方法に関する工夫を行い、尿中落下細胞からmRNAを抽出し、RT-PCRを用いて解析を行うという非侵襲的かつ斬新な方法を導入することで、遺伝子診断率を向上させることに成功し、さらに、これまでこれらの疾患で遺伝子診断率が低かった原因として、従来の直接シークエンス法による解析では広範囲のヘテロ接合体欠失の検出はできず、BS患者においてはこの変異が多いためであることを明らかにした。そこで、PCR半定量法を導入することで、それらの変異の検出に成功した。現在まで私たちは90%以上の患者において遺伝子変異の検出に成功した。
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