研究課題
若手研究(B)
皮膚免疫におけるリンパ管の役割を、接触皮膚炎とケモカインの産生の二つの面から検討した。リンパ潅流に異常のあるマウスでは接触皮膚炎が増強しているが、主に惹起相に原因があり、リンパ管が炎症反応を鎮静化させる排水溝として重要であることが示唆された。またリンパ潅流に異常があっても、感作部位である皮膚において抗原提示が行われている証拠は得られず、樹状細胞の遊走もしくは抗原の所属リンパ節への流入が遅延していることが示唆された。リンパ管内皮細胞からのCCL21の発現制御に関しては、oncostatin MがErkのリン酸化を介してCCL21産生の増強を増強することが示された。Erkのリン酸化を阻害するMAPK inhibitorを抗原感作24時間前に注射したところ、接触皮膚炎が減弱したことから、接触皮膚炎の治療に有効である可能性が示された。
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