配分額 *注記 |
3,870千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 570千円)
2009年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
Steroid and xenobiotic receptor(SXR)は核内ホルモン受容体スーパーファミリーに属するリガンド依存性の転写因子である.これまでに,我々は乳癌細胞においてSXRがシトクロームP450 3A4蛋白(CYP3A4)およびP-糖タンパク(MDR-1)の発現を活性化することを明らかにした.薬物代謝のphaseIIは抱合でありUDP-glucuronosyltransferase(UGT)が担うことから,本研究では乳癌細胞におけるUGTとSXRの関係について注目した.UGT1A1はエストロゲンを代謝する酵素として知られている.UGT1A4およびUGT2B7は乳癌治療薬のタモキシフェンを代謝する酵素である.我々は乳癌細胞株におけるUGT1A1,UGT1A4,UGT2B7の発現をmRNAレベルで確認した.肝細胞癌の培養細胞レベルではSXRによりUGT1A1oyobiUGT1A4の発現がコントロールされるという報告が存在する.我々は乳癌細胞株を用いてUGT1A4のmRNAがSXRにより発現増加することをRT-PCRで確認した.次に,乳癌組織におけるUGT1A1,UGT1A4およびUGT2B7の発現を調べた.平成19年から20年度にかけて当院にて手術を行った乳癌症例のうち70症例を用いて,Real-time RT-PCRで測定したところ,UGT1A1およびUGT1A4の発現とSXRの間には相関を認めなかった.UGT2B7は測定困難であった.乳癌においてUGT1A1およびUGT1A4の発現は確認できたが肝臓同様にSXRにてコントロールされているという根拠は現時点では乏しいと考えられるが,コントロールを示唆する結果も存在し,さらなる研究が必要である.
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