研究概要 |
ADP受容体の一つであるP2Y12受容体欠損マウスを用いて,移植後動脈硬化進展への関与を検討し,以下の結果を得た。野生型に比して,P2Y12受容体欠損レシピエントマウスにおいて(1)頚動脈移植片の血管腔狭窄率の減少(2)移植片新生内膜におけるCD45陽性白血球数およびsmooth muscle alpha-actin陽性細胞数の減少(3)移植後動脈硬化進展に関与する細胞(炎症細胞など)の動員を促すケモカインMCP-1(Monocyte Chemotactic Protein-1)レベルの低下。以上の結果より,移植後動脈硬化進展にはP2Y12受容体が関与しており,MCP-1レベルの変化を伴うことが明らかとなった。今後,培養細胞を用いてADP,MCP-1の相互作用などのメカニズム解析を進める予定である。
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