研究課題/領域番号 |
19791007
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
湯之上 俊二 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (20404478)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
3,350千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 450千円)
2008年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | CD133 / malignant glioma / vaccine / immunotherapy / migration / 悪性グリオーマ / 樹状細胞療法 / CD133陽性細胞 |
研究概要 |
今回の研究テーマでは悪性グリオーマ組織から安定してCD133陽性細胞を抽出できることが必要であったが、マグネットビーズとCD133抗体を用いたシステムによってCD133陽性細胞を悪性グリオーマより抽出できるようになった。同細胞は無血清培地にて増殖が可能であった。さらに培養を続けると基質の無い培養ディッシュにおいてもadhesionすることが確認され、この細胞自身が基質を産生し足場を形成しているものと思われた。 また、免疫染色で同細胞株はCD133抗原を保持していた。この細胞は悪性グリオーマにおけるCD133陽性細胞のcharacterを解明するための材料となるのではないかと考えられ、さらに発展した研究テーマを構築することができるようになった。 今回のテーマは同細胞をターゲットとした治療法の開発としてCD133陽性細胞-樹状細胞フュージョンワクチンの作成であったが、現在、マグネットビーズと抗体を用いたシステムによってCD1陽性細胞をマウス脾臓より分離しIL-4、MG-CSF下に分化誘導を行った後に樹状細胞に分化した細胞とヒト悪性グリオーマから抽出したCD133陽性細胞、さらに、われわれが樹立したCD133細胞株をポリエチレングリコールを用いてそれぞれ融合細胞作成の実験を行っている。 前述のとおり悪性グリオーマ中のCD133陽性細胞は自ら足場を形成していたが、このことは遊走にかかわっている可能性が示唆されたと考えている。つまり、悪性グリオーマの正常脳への浸潤にCD133陽性細胞が寄与している可能性がうかがわれる。そこで、このフュージョンワクチンが浸潤に寄与する腫瘍内CD133陽性細胞の機能を阻止することができれば抗浸潤効果が期待できる。われわれはまず、CD133陽性細胞自体が遊走能を獲得し悪性グリオーマの浸潤機構の一つになっているのではないかという仮説の元、基礎的実験を行った。具体的には腫瘍より抽出したCD133陽性細胞をいてボイデンチャンバーによるmigrationassayを行った。CD133陽性細胞はMCP1,HGF,SHH(sonichedgehog)によってその遊走能が上昇することを現在見出している。その刺激因子の中でわれわれはSHHに注目しておりさらに詳細な実験を行っている。 本研究におけるこのフュージョンワクチンが抗腫瘍効果をもたらしたときの一つのメカニズムとしてCD133陽性細胞に起因する浸潤の阻止という考え方もできるのではないかと考えている。
|