研究概要 |
本研究課題は、(1)In uteroエレクトロポレーション法を応用したマウス胚内耳原基への遺伝子導入法の確立(2)モデルマウス作成による前庭水管拡大症の新規治療の開発を研究目的としている。 今年度は、まず、本研究を申請するにあたっての基礎論文(Miyazaki, et. al. 2006, Sanchez-Calderon, et. al. 2004)について詳細に検討を行い、ニワトリ胚内耳原基の内リンパ管には転写因子Gbx2が発現することと、同じく転写因子であるOtx2の異所的発現によって、内リンパ管でのGbx2の発現が抑制されること、そしてOtx2の異所的発現により内リンパ管でのGbx2の発現が抑制された場合には、内リンパ管の形成自体も抑制されることを確認した。また、マウス胚内耳原基へGbx2やOtx2、siRNAを導入した場合の、内耳のマクロ的な形態変化の評価および内リンパ嚢クリッピング術などの手術手技(Wilson DF, et. al. 1997,熊川ら,2003)の習得を目的として、マウスの側頭骨解剖について詳細に検討を行った。 さらに、in uteroエレクトロボレーションによるマウス胚内耳原基への遺伝子導入法、及び内耳原基でのミクロ的な遺伝子発現について評価を行うための免疫組織化学、およびin situ hybridization法についての最新の知見を有するべく学術集会に参加し、書籍、文献からも情報を収集した。また、臨床的な情報の収集を目的として、実際の前庭水管拡大症症例の診察を行い、学術集会への参加、文献の検索を行った。
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