研究概要 |
(老化) 1. 標本の作成 対象は生後1,2,4,8,12,18,24ヶ月のICRマウス(各5匹)、および同月齢のモルモット(各5匹)。いずれも断頭後にホルマリン固定してパラフィン包埋し、聴神経を横断する面で薄切して切片を作成した。 2. 軸索のカウント 聴神経内の軸索の本数の老化による変化を評価するため、各時期の軸索の本数を顕微鏡下でカウントし始めた。 3. 中枢性ミエリン構成成分のカウント 脳神経は中枢性ミエリンを有する部分と末梢性ミエリンを有する部分で構成されており、中枢性ミエリンはastrocyte、microglia、oligodendrocyteで構成されている。それぞれに比較的特異的なマーカーが知られているので、これらを用いて連続する切片を染色しはじめた。 (再生) 1. 切断した内耳神経を吻合し、形態を評価する モルモットを前頭側頭開頭し、側頭骨外の蝸牛・前庭・顔面神経を明視下に置き、蝸牛神経の中枢性ミエリンを有する部分を切断して閉創する術式を完成させた。2週、4週、8週、12週後に断頭し、標本を作製しはじめた。現在、nを増やしている状況である。 2. OECを移植した際に生じる内耳神経の形態学的変化の評価 モルモットを前頭開頭し、嗅球を採取する。ここからOECを分離し、Hoechst染色にて細胞を標識して(Resnicket al. Neurotrauma 2003)培養する。OECを切断した神経の欠損部におき、1.と同様の操作を加えた標本を作製しはじめた。現在、nを増やしている状況である。
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