研究課題
若手研究(B)
本研究において、私は分泌タンパク質であるペリオスチンが、フィブロネクチンとテネイシンの二つの細胞外マトリックスタンパク質に結合し、この両者の結合を補助するスキャフォールドとして機能していることを明らかにした。このフィブロネクチンとテネイシンの結合は、高度に発達した細胞外マトリックスを構築し、立体的な細胞-細胞外マトリックスの網目状のアーキテクチャーを実現した。この網目状のアーキテクチャーの構造特性は、組織に負荷される外力を緩和する可能性を示唆していた。さらに、このペリオスチンのスキャフォールド機能の欠損は、マウスにおいて脛骨過労性骨膜炎に類似した表現型を惹起した。脛骨過労性骨膜炎は、スポーツ障害の一種であることから、ペリオスチン遺伝子欠損マウスはスポーツ障害のモデル動物としての汎用性が期待される。また、スポーツ障害は外力によって組織が破壊されることで発症することから、ペリオスチン遺伝子欠損マウスにおける発症は、ペリオスチンのスキャフォールド機能喪失による網目状アーキテクチャーの崩壊が招いたものと考えられる。
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