研究概要 |
坐骨神経結紮モデル動物における脊髄では,グリシンシグナル関連蛋白質に関して変動はなく,ミクログリアの活性は術後一過性に上昇していた.KCC2発現は術後12時間後から著明に減少し,3日後には回復した.BDNF特異的siRNA・TrkB特異的siRNAを脊髄腔内に投与した各ノックダウンマウスでは,いずれもアロディニアが部分結紮後3日間は認められず,4日目以降に発症が認められた.結紮後10日経過したマウスについてノックダウンした場合では,いずれもアロディニアの減弱はなかった.これらから,神経因性疼痛初期における痛みはBDNF-TrkBシグナルによるKCC2発現低下に起因することが示唆された.
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