研究課題/領域番号 |
19791449
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
MUNAR M・L 九大, 歯学研究科(研究院), 研究員 (50432919)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,370千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 270千円)
2008年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 生体材料 / 海綿骨 / アパタイト |
研究概要 |
骨再建術式の第一選択は自家骨移植であるが、本研究では自家骨に替わりうる人工骨補填材の創製を目的として、海綿骨の組成と形態を模倣した三次元連通気孔型炭酸アパタイトフォームを調製する。研究代表者らは、ポリウレタンフォームをテンプレートとしてハイドロキシアパタイトの焼結とポリウレタンの焼却を行えば、海綿骨の形態に類似したハイドロキシアパタイトフォームを調製できることを既に明らかにしている。しかし、炭酸アパタイトは、熱的に不安定な化合物であるため、炭酸アパタイトフォームを従来の焼結法により調製することは不可能である。そこで本研究では、熱的に安定なαリン酸三カルシウム(αTCP) のフォームを前駆体として、それを炭酸アパタイトへ相変換する。今年度は、αTCPフォームをハイドロキシアパタイトフォームと同じ製法で調製できるかを検討した。αTCP粉末と水を種々の割合で混合してαTCPスラリーを調製し、これをポリウレタンフォームに付着させ、室温にて乾燥させた。これを1500℃で加熱し、ポリウレタンの焼却とαTCPの焼結を行った。加熱後、形態を観察した結果、フォームの三次元連通気孔構造は保持されており、フォームの骨梁部にはセラミックス焼結体にみられる粒界も観察され、αTCPが焼結されたことが分かった。さらに、フォームの骨梁部の断面を観察したところ、骨梁は中空であり、ポリウレタンは完全に焼却されたことが分かった。X線回折によりフォームの組成を分析した結果、αTCP単相からなる三次元連通気孔型αTCPフォームが得られたことが分かった。予備実験として、得られたαTCPフォームを炭酸ナトリウム水溶液中で水熱処理した結果、フォームの三次元連通気孔構造は保持されたまま、αTCPがアパタイトへ変換した。この結果より、αTCPフォームは炭酸アパタイトフォームを調製する前駆体フォームとして適していることが示唆された。
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