研究課題
若手研究(B)
我々は波長405nm半導体レーザーの臨床応用を目標として、特に軟組織に応用した際のレーザーのエネルギーと組織の反応との関係を中心に、基礎的データを収集してきた。405nm半導体レーザーの軟組織における蒸散効率を調べたところ、マグロの身を用いたinvitroの実験では、低出力でも高い切開能力や凝固能力を持ち、また僅かの炭化層しか形成しないという優れた利点を持つことがわかった(Laser Physics Letters に報告)。またラットの舌・肝臓に本レーザーを照射したところ、生体においても高い蒸散力を示すだけでなく、高い止血力を示すことがわかった(論文投稿中)。また本レーザーによる切開創の治癒過程を、動物を用いて病理組織学的に検索を行っている。一方で、我々は軟組織手術に際して、より生体に安全で効果的なレーザーの使用法を模索してきた。表在性の口腔病変をレーザーで切除や蒸散を行う際に、あらかじめ液性の薬剤を病変周囲に注入する方法を導入した。その研究成果を海外誌Lasers in Medical Scienceに報告し、掲載された。平成20年度第19回レーザー歯学会総会・学術大会、11th Meeting of the World Federation for Laser Dentistry(7/28-30 香港)学会発表を行った。また体積の大きな口腔領域の血管病変の治療法の一つとして、レーザーによる組織内照射法を導入した。この方法は病変内にファイバーを導入し内部よりレーザー照射を行うため、深部病変まで効果的に治療することができた。これらの術式と成果を海外誌Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endodに報告し、掲載された。これらの術式は405nm半導体レーザーの臨床応用の際に有効な活用法として期待できる。今後も引き続き405nm半導体レーザーの性能解析を行っていく予定である。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (4件)
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