研究課題/領域番号 |
19791524
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
内田 大亮 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20335798)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 300千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 癌 / 核酸 / トランスレーショナルリサーチ / CXCR4 / siRNA / リンパ節転移 |
研究概要 |
本研究は、small interfering RNA (siRNA)を用いたCXCR4の発現抑制により口腔癌のリンパ節転移抑制が可能であるか検討するために以下の実験を行った。すなわち、CXCR4を高発現しており、ヌードマウス同所性移植モデルにてリンパ節転移能を有する口腔扁平上皮癌細胞株B88に対して、CXCR4に対するshRNA発現ベクター導入し、3種類のCXCR4ノックダウン細胞(siCXCR4細胞)を樹立した。その結果、siCXCR4細胞においては、SDF-1誘導性に生じる細胞内カルシウム流入量が著明に減少しており、細胞遊走能も有意に低下していた。この中で、CXCR4の発現レベルが最も低下していたsiCXCR4-17細胞をヌードマウス咬筋内に同所性移植したところ、リンパ節転移のみならず、原発巣のサイズ、マウスの体重減少が有意に抑制された。 以上より、CXCR4に対するsikNAがリンパ節転移を抑制する可能性が示唆されたため、siRINAオリゴによるtransfectionの至適条件をluciferase活性を指標に検討した。この条件下に、合成した3種類のCXCR4 siRNAオリゴをCXCR4高発現株であるB88細胞にtransfectionしたが、CXCR4の発現は50%程度しか減弱させることができなかった。この条件下に、リガンドSDF-1を用いたmigration assayを行ったが、CXCR4特異的阻害剤であるAMD3100を用いた実験系と比較して、CXCR4 siRNAによる細胞遊走の抑制効果は50%程度しか得られなかった。そこで、AIMD3100をB88細胞の同所性移植モデルに使用したところ、B88細胞のリンパ節転移は著明に抑制された。以上より、siRNAを用いた実験系では導入効率の改善と配列特異性が極めて重要であり、核酸薬品としてのCXCR4 siRNAの使用は困難であること、CXCR4特異的阻害剤AMD3100はCXCR4を発現している口腔癌のリンパ節転移抑制に有効である可能性が示唆された。
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