研究課題/領域番号 |
19791613
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
林田 浩一 広島大学, 病院, 助教 (10437585)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,740千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 540千円)
2008年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 歯周外科学 / 担体 / 歯周組織再生 / 幹細胞 / 細胞分化誘導 / 幹組胞 |
研究概要 |
骨髄間葉系幹細胞を移植することによる歯周組織再生療法が有用であることは既に明らかとなっているが、硬組織の再生に関しては改善すべき点が残っていた。本研究の目的は、骨髄間葉系幹細胞を用いて歯周組織再生を行う際に,より効率良く再生を誘導できる,シグナルの機能を有する担体を探索することである。 平成19年度は、培養間葉系幹細胞(以下MSC)を用いて、β-TCPがMSCの形質に及ぼす影響について、細胞接着と骨形成に関与する遺伝子発現およびタンパク発現について検討した。MSCを培養する際、ディッシュ内にβ-TCPを入れて培養を行ったところ、6日間で細胞接着に関与するαV・β3 integrinのmRNA発現の有意な上昇が確認できた。さらに骨形成に関与する細胞外基質であるosteopontinのmRNAおよびタンパク発現の促進も確認した。以上のことより、β-TCPは、MSCの細胞接着および骨分化に影響している可能性を示唆できた。 平成20年度は、実験動物を用いて、歯周組織再生により有用であるかを検討した。実験動物は雌性ビーグル犬とし、下顎臼歯の根分岐部にセメント質・歯周靭帯を含めた3級の歯槽骨欠損を作成した。その後、アルジネート印象財を填入し、炎症を惹起させる。その後、間葉系幹細胞・アテロコラーゲン複合体に加えてβ-TCPを移植した群と複合体のみの移植およびβ-TCPのみ填入した群を作成し、経時的に比較検討した。その結果、複合体とβ-TCPを併用した群では、歯槽骨骨頂が根分岐部まで到達するのは、複合体のみの群と比較して有意に早かった。これは、β-TCPの併用が、骨の形成に有利であったと推察できる。また、β-TCPのみ填入した群では、ほとんどの個体でアンキローシスが認められた。以上のことから、β-TCPのみの使用では、アンキローシスを誘発しやすくなり、やはり、MSCとの併用が歯周組織再生により有用であることを明らかにできたと言える。
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