| 研究概要 |
本研究では,舌苔中および唾液中のF.nucleatum(Fn)菌数,唾液中の総sIgA濃度と抗Fn sIgA抗体価の測定を行い,舌苔の形成におけるFnの関与と抗Fn sIgA抗体の役割を検討した。また,唾液中のストレスマーカーであるコルチゾール濃度,およびT細胞サイトカインの唾液中濃度も測定することで,口臭による精神的ストレスが,sIgA産生や口腔内のFnの存在に対しておよぼす影響について検討した。その結果,舌苔スコアが高い者ほど,唾液sIgA濃度が高く,舌苔中Fn菌数が多い者では抗Fn sIgA抗体価が高くなる傾向が示された。また,口臭に対する不安はコルチゾールの分泌を促進し,Th2サイトカイン優位な状態にする可能性が示唆されたが,唾液sIgAの産生や,抗Fn sIgA抗体価に影響を与えているとは言えなかった。
|
