本研究は、後頚部温罨法が及ぼす作用の基礎的研究として成人女性を対象に後頚部温罨法による生体反応(脳血流、血圧、脈拍、深部体温、四肢末梢表面温度)を明らかにすることを目的に実施した. 結果:10分間の後頚部温罨法は、血圧や脳血流などの循環系への影響は少なく、深部体温や手掌・足底などの末梢表面温度を有意に上昇させることが明らかになった.さらに接触していない肩部の筋硬度値を有意に低下させた.また、四肢末梢冷感の自覚がある成人女性においても同様に深部体温や手掌・足底などの末梢表面温度を有意に上昇させることが検証された. 本研究の結果から後頚部温罨法は、深部体温や四肢末梢表面温度の上昇だけでなく、睡眠導入やリラクセーション効果など介在効果を目的とした看護援助に活用することができると示唆された.
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