研究課題
若手研究(スタートアップ)
平成19年度では、熱帯降水システム時空間変動を記録したデータセットを完成させた。使用した衛星プロダクトは、TRMM降水レーダ(PR)観測エコー・プロファイル(2A25データセット)およびTRMM可視赤外放射計(VIRS)観測輝度(1B01データセット)である。PRとVIRSの両センサを空間的にマッチアップするため、各衛星軌道に全球0.25度グリッドを投影し、各グリッド点に直近のPRピクセルとVIRSピクセルを割り当てた。この作業を1998年1月から2007年12月までの10年間全衛星軌道に順次適用し、PR降雨頂高度(km)とVIRS赤外輝度温度(K)の0.25゜解像度データセットを作成した。アーカイブされるファイルは軌道毎1ファイルにアスキー形式で保存され、日・月単位で階層化したディレクトリ・ツリーのもと整備されている。本データセットは、利用を希望する一般研究者に向けWWWサイト上(URLは備考欄参照)で公開している。このデータセットを用いて、南半球夏季におけるMJ0を含めた熱帯赤道波に伴う降水活動の研究を推進した。ラグ・コンポジット解析やラグ相関解析に基づき、浅い積雲、雄大積雲や深い層状性・対流性降水が発達するタイミングのずれや、海面水温や水蒸気場が降水活動に及ぼす影響を調べた。また、MJ0の発生域であるインド洋とMJ0の対流活動が最も成熟する西太平洋域を個別に解析し、熱帯大気擾乱の気候学的特性を地理的影響も含め考察を行った。この結果は、気象集誌(日本気象学会の英文論文誌)の特集号「衛星降水観測」への投稿に向け準備中である。
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Journal of the Atmospheric Sciences 64
ページ: 4400-4416
http://precip.hyarc.nagoya-u.ac.jp/research-j.html
http://precip.hyarc.nagoya-u.ac.jp/research/data-archives.html