研究概要 |
循環型社会の実現に向けて有機性廃棄物の利用が求められている.本研究では,稲わらなどの農業廃棄物に対して滅菌を必要としないL-乳酸発酵(高温L-乳酸発酵,Bacillus coagulans)の適用を目指しており,同発酵が農業廃棄物を構成する糖質(ヘキソース,ペントース)からL-乳酸を生成できることを示した.また,農業廃棄物の糖化液から実際に非滅菌下でL-乳酸を生成した.高温L-乳酸発酵により増殖する菌体の有効利用方法として生菌剤化も検討した.生菌剤化プロセスに必要と考えられる乾燥工程の温度・時間条件(生存条件)を探索し,80oC で2 時間の乾燥により概ね生存率10-2 が得られることを確認した.
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