研究課題/領域番号 |
19880022
|
研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
川畑 球一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 研究員 (60452645)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
2,441千円 (直接経費: 2,090千円、間接経費: 351千円)
2008年度: 1,521千円 (直接経費: 1,170千円、間接経費: 351千円)
2007年度: 920千円 (直接経費: 920千円)
|
キーワード | フラボノイド / 体内動態 / 脳機能調節作用 / 機能性食品 / うつ病 / ストレス / HPA系 / ポリフェノール |
研究概要 |
前年度の研究でケルセチンはストレス応答調節作用を有していることが明らかとなり、脳機能に影響を与えることが強く示唆された。そこで本年度はモデル神経細胞Neuro2Aを用い、ケルセチンの脳機能調節作用の網羅的解析を目的とした。そのためにまずケルセチンの体内動態に関する知見を得るため、Neuro2A細胞とラットを用いて吸収・代謝の検討を行った。Neuro2A細胞にケルセチンアグリコンおよび代謝物[ケルセチン-3-グルクロニド(Q3GA),イソラムネチン(IRH)]を処理し、1-24hで時間依存的な吸収を測定したところ、アグリコンとIRHの細胞内取込量は1hで最大となり、2h以降は時間依存的に減少したが、Q3GAは24hまで時間依存的に取り込まれた。またケルセチン処理1hでIRH(メチル化物)に相当するピークが認められた。さらに興味深い事にIRHの取込量はケルセチンに比べて6-10倍高いことが明らかとなったことから、Neuro2A細胞にはIRH(メチル化物)が蓄積しやすいことが示唆された。次に、アグリコンをラットに経口投与した際の脳内蓄積量について、ストレス負荷の有無での変動も合わせて検討した。ケルセチン代謝物は無処理のラット脳内でも検出されたことから、通常飼料中からの混入が示唆されたが、投与によって代謝物の変動を確認することはできた。投与後30-210minで血漿中代謝物は増加した一方、脳内代謝物は減少したことから、脳内蓄積量は一定に保たれている可能性が考えられた。また水浸拘束処理により脳内代謝物(メチル化物)が増加傾向にあったことは注目すべき点であり、(ストレス刺激に限らず)負荷を与えた場合の代謝物量の変動は新知見である。以上の結果から、ケルセチン代謝物は(特にメチル化物)は脳内に蓄積し、神経細胞に何らかの影響を与えることが期待された。
|