研究課題/領域番号 |
19890120
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
梅本 英司 阪大, 医学(系)研究科(研究院) (90452440)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,050千円 (直接経費: 1,780千円、間接経費: 270千円)
2008年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 880千円 (直接経費: 880千円)
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キーワード | 免疫学 / 接着分子 / リンパ球動態 / 高内皮細静脈 |
研究概要 |
報告者らは、これまでにリンパ節の特殊な細静脈、高内皮細静脈(HEV)に発現する新規分子nepmucinを同定し、nepmucinはHEV上で、リンパ球のローリングおよび接着を媒介することを報告してきた。報告者は研究計画に従い、リンパ球動態におけるnepmucinの重要性について検討した。その結果、nepmucinはリンパ球上の未同定リガンドとヘテロフィリックに結合するだけでなく、ホモフィリックな結合様式を介してnepmucin自身と結合することが明らかになった。これまで、リンパ球の血管外遊走を制御する血管内皮細胞上の分子については不明な点が多かったが、報告者はin vitroにおいて、nepmucin-nepmucinのホモフィリックな結合が内皮細胞間の細胞接着を制御し、リンパ球の血管外遊走を促進することを見出した。さらに、nepmucinは内皮細胞の細胞膜上だけでなく、細胞膜近傍のvesicleにも存在し、細胞膜とvesicle間をリサイクルすることが明らかになった。単球などの血管外遊走を制御する接着分子CD31でも同様のリサイクル現象が報告されており、CD31のリサイクル現象は白血球の血管外遊走に深く関与する。したがって、内皮細胞上のnepmucinはCD31と同様の分子機構を用いてリンパ球の血管外遊走を制御する可能性が考えられる(投稿準備中)。以上より、HEV上のnepmucinは、リンパ球のローリング、接着および血管外遊走という複数の過程を制御することが示唆された。これらの知見は、リンパ球生体内移動の分子基盤を与える点で非常に意義深いと考えられる。
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