研究課題/領域番号 |
19890136
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
北島 正二朗 広島大, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00452590)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,085千円 (直接経費: 2,680千円、間接経費: 405千円)
2008年度: 1,755千円 (直接経費: 1,350千円、間接経費: 405千円)
2007年度: 1,330千円 (直接経費: 1,330千円)
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キーワード | 細胞周期 / ユビキチン / 細胞分裂 / リン酸化 |
研究概要 |
本研究は、口腔癌で生じているSkp2のユビキチン分解異常と、その結果としての過剰発現機構の詳細について明らかにすることを目的とする。Skp2のリン酸化制御異常がその原因となっている可能性について検討し、特異的分子治療薬への応用の可能性までを検討する。そのために本年度は、Skp2と同様、複合体型ユビキチンリガーゼAPC^<Cdh1>の基質であり、最近までその過剰発現との関連について研究を進めていたAurora-Aをモデルとして、そのリン酸化調節機構の詳細を明らかにすることで、Skp2やAurora-AをはじめとするAPC^<Cdh1>の基質に共通する過剰発現機構を明らかにすることを目的とし、以下の研究を実行した。 Aurora-Aの51番目のセリン残基(セリン51)のリン酸化がタンパクの安定化につながることが最近明らかとなっていた。そこで、リン酸化模倣変異型(S51D)Aurora-Aを作成し、ユビキチンアッセイを行なったところ、野生型(WT)と比較して明らかにユビキチン化が阻害されたことから、リン酸化が直接ユビキチン化を抑制し、タンパクを安定化するシグナルとなっていることが明らかとなった。また、口腔癌症例の組織より抽出したタンパクを用いた検討から、Aurora-Aの過剰発現とセリン51の恒常的リン酸化との間に明らかな関係が見られたことから、実際に口腔癌でリン酸化制御異常が生じていることが明らかとなり、またそのことが、APC^<Cdh1>の基質タンパク群の過剰発現にとって重要なイベントとなっていることが示唆された。 さらに、キナーゼ変異型Aurora-Aを用いた検討により、セリン51のリン酸化が自己リン酸化による可能性が、また、フォスファターゼ阻害剤を用いた検討により、その脱リン酸化が、細胞周期を調節するセリン/スレオニンフォスファターゼであるPP2Aによって行なわれる可能性が示唆された。 最近、PP2Aをはじめとするフォスファターゼの機能異常と発癌との関係について様々な報告があり、注目を集めていることから、今後はさらに、Skp2をはじめとした癌遺伝子産物の、PP2Aによる脱リン酸化を介した発現制御機構の詳細についても検討したい。
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