研究課題/領域番号 |
19890139
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児系歯学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大谷 淳二 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20452592)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,075千円 (直接経費: 2,670千円、間接経費: 405千円)
2008年度: 1,755千円 (直接経費: 1,350千円、間接経費: 405千円)
2007年度: 1,320千円 (直接経費: 1,320千円)
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キーワード | 性ホルモン / 骨成長発育 / エストロゲン / 成長発育 |
研究概要 |
出生直後マウスにおける性ホルモンと成長因子が全身および顎顔面骨格の成長発育に及ぼす影響について検討するために、形態計測学的および免疫組織化学的検索を行った結果、以下の所見が明らかになった。 1.四肢および顎顔面骨格において、雌雄両性で術後4週時まではエストロゲンが骨の成長発育に強く関与していることが明らかとなり、性腺摘出群の劣成長はエストロゲン投与により回復した。しかしながら、術後8週時においては雄性ではアンドロゲンが骨成長における重要性を増し、エストロゲン投与では回復しなかったもののアンドロゲン投与により劣成長は回復した。 2.大腿骨および下顎頭のいずれにおいても、性腺摘出により雌雄両性で海綿骨骨梁面積の有意な減少、下顎頭軟骨細胞層、特に装飾層および肥大層厚径の有意な増加、TRAP陽性細胞数の有意な増加が明らかになったが、これらの変化はエストロゲン投与により抑制された。 3.性腺摘出により、血清中のTGF-β1レベルは有意に低下し、下顎頭におけるTGF-β1の局在も減少した。一方、対照群の下顎頭においては増殖層および肥大層に限局してTGF-β1の強発現が認められた。 4.抗TGF-β1抗体添加下の器官培養を行った結果、下顎頭の有意な劣成長が明らかになった。 これらの結果から、性ホルモンは出生直後から四肢および顎顔面骨格の成長発育を強く促進していることが明らかになり、出生後から新生児期および小児期にかけては、雌雄両性でエストロゲンが骨の成長発育により深く関与していることが強く示唆された。また、雌雄を問わず、思春期前期までの骨量の増加と維持にエストロゲンが必須であることが明らかになった。さらに、性ホルモンの作用機序として、性ホルモンの欠乏によりTGF-β1の産生量が減少し、次いで骨の成長発育が抑制されるという間接的経路の存在が考えられた。 本研究結果に基づいて、顎顔面骨格の成長予測、臨床診断に性ホルモンとTGF-β1が有用な指標となることが強く期待される。
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