研究課題/領域番号 |
19900101
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
天野 哲也 北海道大学, 総合博物館, 教授 (90125279)
|
研究分担者 |
増田 隆一 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 准教授 (80192748)
深澤 百合子 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (90316282)
右代 啓視 北海道開拓記念館, 学芸部, 学芸第一課長 (30213416)
|
研究期間 (年度) |
2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
キーワード | 考古学 / 中世史 / 民族 / DNA / 形質人類学 / 交易 / アイヌ民族 / オホーツク文化 |
研究概要 |
列島北部-サハリン-アムール下流域における中世社会・民族形成の過程を、東アジア的枠組みの中で解明することを試みた。とくに古代[オホーツク文化・擦文文化]と中世[アイヌ文化]をつなぐ試み(そのプロセスの把握と動因の解明)を中心的な課題とした。 自家製品である木器木製品については、品目・比率ともに擦文文化期からアイヌ文化期に連続的な変化を遂げること、またアイヌ文化の指標となる鉄鍋については14世紀半ば以降、能登半島の産地(中居など)からもたらされた可能性が大きいことを推定できた。 これに加えて、このような「物質の内地化」を可能にした生産体制(集落・領域の構造と形態)と集団の交流の解明にもとりくみ、アイヌ文化形成の最初期、津軽地方では、北海道アイヌに特徴的な世帯毎の分散的領域形成が展開しなかったこと、さらに道北地方の擦文文化期に防御性施設がすでに建設されたことを確認できた。そしてアイヌ民族に6%前後みとめられるY1ハプロタイプは、北海道に進出したオホーツク集団が続縄文集団と接触する過程でもたらされた可能性が高いことを推定できた。
|