研究課題/領域番号 |
19900106
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
二宮 修治 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30107718)
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研究分担者 |
三辻 利一 大阪大谷大学, 文学部, 非常勤講師 (40031546)
中田 正隆 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80180305)
丑野 毅 東京国際大学, 人間社会学部, 教授 (80143329)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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キーワード | 中世考古学資料 / 遺跡出土陶磁器 / 分析保存科学 / 生産地推定 / 生産と流通 / ICP発光分光分析 / 蛍光X線分析 / X銭マイクロアナリシス / X線マイクロアナリシス |
研究概要 |
本研究では、中世考古学研究に寄与することを目的とし、過去の時空間における陶磁器の分布を明らかにするために、その編年体系を基本に組織的に選択し、国内外の消費地遺跡の系統的選定、陶磁器の生産地推定を化学分析の視点から研究し、陶磁器の生産や流通等に関する研究の基礎的データの蓄積と組織化を行った。陶磁器研究に関する様々な研究者との有機的な共同研究を展開し、学融合的な視点に立脚した陶磁研究の方向性の確立を図った。 国内外の窯跡出土および消費地遺跡出土陶磁器類を対象として、EPMAによる陶磁器断面の電子顕微鏡観察と化学組成との関係を可視化情報として得ることにより、主成分元素の定量と釉薬の発色に寄与する着色剤の同定、釉薬と胎土との中間層についても検討した。さらに、表面分析である蛍光X線分析での分析結果との整合性を検討し、可搬型蛍光X線分析の非破壊・非接触分析へと発展させることができた。また、陶磁器片胎土の化学分析としてのICP発光分析法の精確さ、精度をセラミックス協会の標準物質を用いて明らかにしその有効性を示した。一方、波長分散型蛍光X線分析法による中世陶磁器の生産地推定法としての2群間判別分析法の適用と確立した。これらの成果を踏まえて、可搬型蛍光X線による完形資料および大型資料の胎土および釉薬の非破壊分析による実在資料の分析データの蓄積し、これまでに得られている分析法間のクロスチェックにより客観的データへと発展させることができた さらに、陶磁器以外の関連する考古学的資料の化学分析も不可欠である。また、これらの考古遺物の保存も重要な課題であり、文化財保存環境学の視点から中世考古資料の保存と活用に関する指針を提示した。
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